フレラバ 〜Friend to Lover〜



初めに(前書き)

今回は フレラバ 〜Friend to Lover〜 について書きます。
正確には HD Renewal Edition の方を最近プレイしました
ので、そちらを元に書いています。それとこの作品はかなり
思い入れが強いので 感情的 になっている部分が結構多く
私の主観がバリバリに反映されている内容になっていますので
合わないと感じたら早めにブラウザバックするかサイトを
閉じて下さい。と書いておきます。

総評

あらためてプレイして思いましたが各ヒロインのアプローチ
パート(簡単に言えば、ヒロインと主人公との一対一の会話
パート)での選択肢の多さが少々面倒に感じた以外はスキの
ない 総合力の高さ を感じた作品ですね。ヒロインの 可愛さ
語るまでもなく 素晴らしい ですし、オープニングアレンジの
未来を描いて の使い方の上手さ。シナリオでは陽茉莉の個別
ルートは私の中では幼なじみシナリオ最高レベルの 完成度 だと
思っています。私を SMEE の新作が発表されたら必ずチェック
するきっかけになった作品で、いまだに 総合力 ではコレを
超える SMEE の作品に出会えていないです。部分的には迫る
作品はあったりするんですけどね。

シナリオ

オープニング曲が流れるまでの間とその後の最初の選択肢
までに 3 人のヒロインと主人公にサブキャラクター達の
簡単な性格や特徴を紹介していく流れは純愛系…と言うか
その手のジャンルではよくある内容ですが、各ヒロイン
とのアプローチパートでは交流を重ねて少しづつ仲良く
なっていく描写は上手だと思います。反面、通常のレビュー
でも書きましたけど、アプローチパートの間で様々なキャラ
クター達のちょっとした日常を描写していますが、ここは
どのヒロイン達と仲良くなっていても同じように描写されて
いますので、例えばゆずゆと仲良くなっている段階でゆずゆ
とのちょっとした日常のやり取りを描写されると現状との
ギャップで戸惑う事はあります。一応細かい部分でセリフを
変更したりと努力はしているんですけどね。まあ、流石に
各ヒロインとの進行度に応じて日常描写を全て変えると
膨大な手間ですからね。さて、各ヒロイン達のシナリオは
陽茉莉の幼なじみシナリオとしての完成度。理奈の友達から
恋人へ。この 2 つは強いですね、けどゆずゆや岬がダメな
訳ではないんですよ。ゆずゆのシナリオは初期のゆずゆからは
想像出来ない ギャップ による可愛さ。家庭的な部分や
最初にああいった態度を取っていた理由などゆずゆという
キャラクターを魅力的に魅せる為に必要な描写が出来ていたと
思います。まあ、それでもラストの過去の話や自身のルートに
入らない時の描写に引っ掛かりを覚えて好きになれない人が
いるのは仕方ないですけどね。岬のシナリオはやっぱり噂が
ひとり歩きして最初に疑問を持ったプレイヤーが多い印象
ですね。誤解を恐れず言えば私も シナリオとしての評価
全 4 人のヒロインの中で一番下です。ですが、個人的な
好き嫌いで言えば 1、2 を争うぐらい好きです。いくつか
理由はありますが、最大の理由は岬以外の登場人物達との
交流描写の バランス がちょうどいいからです。個別ルートに
入ると他のヒロインはどうしても出番は少なくなりがちです。
これは主人公とルートに入ったヒロインとの描写に集中する
ために出番を意図的に少なくしている場合が多いです。しかし
あえて他のヒロインとの交流を多めにしている作品もあります。
これについては明確な正解はなくプレイする人それぞれに最適な
バランスがあるはずです。この作品において私の場合はそれが
岬の個別ルートだった訳です。それ以外にもここのメーカーの
前作である ラブラブル が好きだったり、岬の母親と主人公の
母親とのやり取りが好きだったり、少しズレた岬と主人公の
交流が好きだったと言った理由もありますけどね。それでも
陽茉莉と理奈。この 2 人の個別ルートはゆずゆや岬よりも
上だと思っています。陽茉莉は幼なじみシナリオとしては
異質 という人もいます。それは幼なじみとしての思い出の
積み重ねが弱いからです。その事を否定はしませんが、私は
それを差し引いても陽茉莉の個別ルートを評価しています。
それは幼なじみヒロインとしての避けられない 宿命 に対して
私が納得出来る 描写をしてくれたからです。どんなに努力を
しても幼なじみヒロインは自身の個別ルートに入らないと
その想いが報われないのはもはや 宿命 です。これは色々と
各メーカーが努力をしたり、プレイヤーの考え方次第な所も
あってデリケートな内容でもありますが、私個人としては
陽茉莉の個別ルートはその答えを示してくれました。当然
これに納得出来ない人もいるとは思います。ですが私には
「これこそが理想だ」とプレイした当時は思いました。そして
再プレイしてもその気持ちに変化はなかったんですよね。
長文雑談の「エロゲヒロインにおける幼なじみについて」で
少し書きましたけど「幼なじみからフラットな関係に戻り
また好きになる」これは共通ルートの部分では陽茉莉は
主人公に対しては恋愛感情を持っていない訳です。その
辺りの描写は、告白シーンまでの陽茉莉と主人公とのやり
取りで明かされます。だからこそ、他のヒロインの個別
ルートに再プレイ時に入っても陽茉莉の対応に納得出来る
訳です。俗に言う「主人公が好きなヒロインは他のヒロインの
個別ルートに入ったらどうするの?」問題の答えになります。
特に幼なじみヒロインは多くが主人公に共通ルートの時点で
恋愛感情を持っている事が多いので、プレイした当時はこの
答えが凄く自然に受け入れられましたね。当然それ以外にも
恋人関係になってからの、最初の方のシーンでの学校での
ハイテンションな主人公とあたふたする陽茉莉や初めての
Hシーン後のトイレを我慢する陽茉莉の所などはとっても
良かったですし、一番最後に幼なじみシナリオとしての答えが
明かされて一枚絵で、笑顔な陽茉莉が見られる所なんかも
とっても良かったです。そして理奈の方は 友達から恋人へ
これ以上の言葉は無粋と言うぐらいにこの言葉が相応しい
シナリオでしたね。告白シーンまでは。一方で恋人になって
からは友達では分からなかった理奈の一面が徐々に明らかに
なっていきます。この一面こそが理奈の本来の姿と言えるの
かも知れませんが、友達として接してきた時に見ていた理奈も
偽りではないと思っています。こうやって見れる様々な一面
こそが理奈の魅力であり、それを存分に描写したシナリオだと
思っています。個人的に印象に残っているのは、理奈の個別
ルートだと陽茉莉との幼なじみだからこそ知っている部分に
理奈が嫉妬して、陽茉莉の個別ルートは陽茉莉が知らない
時間を一緒に過ごした理奈に陽茉莉が嫉妬する。この対比
から過ごした時間も昔の思い出も尊いですが、大事な事は
今を大切にしよう。というメッセージなのではないのかと
プレイした当時は思っていましたね。

グラフィック

のっけからアレですがの描写はとても良いです。特に
ゆずゆのHシーンはかなりグッと来ます。個人的には本編では
実現しなかった陽茉莉の某ペットボトルシーンをじっくりと
描写してもらえれば最高でしたが……まあ、それはそれとして
改めてプレイし直すと陽茉莉や理奈の髪型変更も結構良かった
ですね。初回プレイ時は陽茉莉が髪をおろしたシーンで元気が
そこまではしゃぐのがあまり理解出来なかったですが、もう
一度プレイしてみて、その良さが理解出来ました。

音楽

未来を描いて の良さは通常のレビューで沢山書いたので
ここではエンディング曲の 二人のアルバム について
書きます。まず、出だしのピアノのメロディーでグッと
来てからの穏やかなメロディーから「いつか、あなたが
見せてくれた幸せは〜」のサビ部分で声量があがる部分。
そして一番最後に出だしのメロディーを持って来た所。
何より曲のタイトルの 二人のアルバム がとても良い。
オープニング曲やそのバージョン違いには流石に劣りますが
この作品を代表する曲と言えます。逆に言えばそれらの曲が
強すぎたので、他のBGMの印象が薄くなっているのが少し
残念ではありますが。

キャラクター

4人のヒロインはじっくり書きたいので、サブキャラクター達を
先に書いていきます。まずは元気と桃についてです。正直彼らは
人によって好き嫌いが分かれるキャラクターだと思います。
ここのメーカーの新しいゲームに彼らのような人物がそこまで
出ていない事からもプレイする人の多くはそんなに好きじゃない
でしょうね。ですが個人的に彼らのやり取りに笑ったり、少し
引いたり、呆れたり、同意したりと言った描写はプレイヤーの
気持ちをリセットするいいタイミングになるんで、個人的には
必要だと思っています。後は主人公の親ですね。この作品から
ここのメーカーは親に面白い気質を用意している事が多いです。
主人公の性格の一部は間違いなく親の気質が遺伝していると
納得させられます。個人的には陽茉莉や岬の個別ルートでの
親同士のやり取りも好きなんですけど、ゆずゆの個別ルートで
キチンと 母親 している所もいいですね。これがおちゃらけと
真面目を上手く使い分けるという事でしょうね。そしてそれを
主人公も実践しています。それ以外のサブキャラクターは…
そうですね。岬以外のヒロインにそれぞれ対応したサブキャラ
クターを用意しています。ヒロインと主人公の関係に様々な
影響を与えていますが、その中でもまひろは結構印象に残って
います。一歩引いた状態で周りを観察した上での彼女の行動が
理奈と主人公が恋人関係になったきっかけに大きく影響して
います。ある意味で正しくサブキャラクターらしいと言える
のではないでしょうか?さて、次は主人公についてですね。
まあ、粘着と奇行は目立ちますが変な所で真面目だったり
紳士だったりします。この辺りの ギャップ がヒロインには
グッと来たんでしょうね。一応、陽茉莉は幼なじみとして
主人公の過去を知ってはいますが、その時との違う部分の
ギャップ も好きになった理由の 1 つだと私は思っています。
それから、個人的にはここのメーカーの主人公の性格を完成
させたのだと思っています。らぶでれーしょん! は少し
行き過ぎたので ラブラブル で調整をして手応えを掴み
本作で完成したのではないかと。ですが、絶妙なバランスの
上に存在しているので、その調整は毎回苦労しているような
気はしますけどね。さて、最後に 4 人のヒロインについて
です。まずは陽茉莉ですが、まあ、可愛い です。主人公視点
だと最初は昔の印象との変化に戸惑っていましたが、交流を
重ねる内に、昔と同じ所はありながらも成長した部分や新たな
魅力に気づいていき、ドンドン好きになっていき告白シーンに
繋がるあの流れは好きですし、恋人関係になってからの絶妙な
陽茉莉へのいじり方は主人公が幼なじみだからこそ出来る手法
でした。その後の陽茉莉のあたふたする対応もすごく良いと
思います。個人的には主人公の名前をデフォルトにしている
時の呼び方が最初の方の「青葉君」と後の「恭ちゃん」の
変化もとっても気に入っています。次は理奈についてですが
こちらはある意味で完成された友人関係だったのをちょっと
したきっかけが主人公の変化とまひろのアシストによって
関係性が変化していきます。フレラバ 〜Friend to Lover〜
に相応しいですね。その過程で理奈の反応の変化はとても
可愛かった です。恋人関係になった事で、友人関係だった
時には気づかなかった理奈の弱い一面。ここの描写こそが
理奈の魅力を更に一段上へと押し上げています。友人だった
時の理奈は明るくてノリが良く女性でありながらも多少の
下ネタ程度なら軽く対応しているようなヒロインでしたが
恋人関係になってからは、それらはあくまで一部分であり
寂しがりやで多少の依存癖もあり、結構面倒な部分も見えて
きたりします。でもそこが 良い んです。それが ギャップ
素晴らしさですからね。さてさて、次はゆずゆです。彼女は
最初の好感度はマイナスといっても過言ではない状態から
始まります。そんな状態であそこまで粘着してゆずゆと会話
しようとする主人公のメンタルはある意味でヤバいです。
しかし、その主人公相手に一応の会話をしてくれるゆずゆは
何だかんだ言いながらも優しいですね。最初の彼女は他者
との交流を避け、近づいてくる人に雑な対応をしているので
不快に感じる人もいますが、彼女の事をちゃんと見ている
人は彼女の頑張りや行動を一定の評価はしています。また
自分を慕ってくれる後輩への対応に悩んだり、過去の経験
からも本当のゆずゆはとても優しい子だという事は、この
作品をプレイした人ならきっと理解してもらえると思います。
恋人関係になった後も、姉属性を発揮した後のHシーンや
相性値アプリで陽茉莉に大差をつけられた時のムキになる
場面だったりと、ゆずゆの 可愛さ が存分に描写されていま
したね。では、最後に岬ですね。彼女は評価が分かれている
印象が強いです。やはりシナリオ上での設定や出会うまでの
展開にご都合主義を 強く感じる 所も賛否が分かれてしまう
理由の 1 つですかね?岬自身は天然というイメージが強い
ですし、私もそれを否定する気はないですが、周囲から隔離
されて同世代との交流をしてこなかった事で、言動が一歩
ズレてしまったと私は思っています。ですが、それが彼女の
魅力でもあります。告白シーン前だと主人公と一緒に帰る
ために勇気を出して「行っちゃ……いや………」と言った
シーンが良かったと言う人が多いと思いますが、個人的には
その少し前の岬が持ってきたお弁当の味を聞かれたときに
少し主人公がふざけた時の「……(怒)」からの「もう……
あげない……」は最高に可愛かったですが、その後にチョコ
チップとどっちが美味しいか聞かれてからの返答でチョコ
チップを侮辱したと感じるシーン辺りなんかは岬らしさが
最高に出ています。告白した後のシーンなら最初の方での
ガラスケースに厳重に保管された主人公のハンカチの件の
岬の執着具合も彼女らしいですね。そして、その後の岬の
両親との顔合わせは思いっきり笑っただけでなく、岬のそれ
までの印象と少し違う反応も可愛かったです。その後の前作
ラブラブル ネタはプレイした人へのファンサービスという
印象は強いですけど、別にプレイしていなくても楽しめると
思います、まあ、それよりもその後の浜辺で遊ぶシーンの
一枚絵の岬の笑顔は最高に 可愛かった ですが、それをこの後
主人公が名前で呼んで欲しいと言ってデフォルトのままだと
「恭介……くん……」と呼んでくれる所が岬の個別ルートで
一番 悶えました その後の初体験を挟んでからの各ヒロインや
サブキャラクター達とワイワイ楽しむシーンもやっぱり好き
ですね。ここまでが主人公と岬との一対一のシーンが多い
だけに、この作品で唯一全てのヒロイン同士で絡む場面は
プレイしていて和みます。後はそうですね…岬の私服の別
バージョンであるフリル付きの短めのスカート衣装は個人的
にはそこまでグッと来なかったですが、普段とはまた違う
印象の岬が見られるので悪くないと思います。明らかに岬に
対しての文章量が他の 3 ヒロインとは違いますが、これでも
半分ぐらいは削っています。それぐらい岬は好きなヒロイン
ですが、苦手な人がいるのも理解は出来ます。だからこそ
通常のレビューではある程度客観的に書いたつもりですが
こちらでは多少の自重はしていますが、基本的には主観的に
書いています。こんな内容でも少は岬を好きになってくれる
人がいたら嬉しいですね。と書いて終わりにします。

この内容に関することはこちらのweb拍手からどうぞ。

 


Copyright © 2016 心と幻をこえて All rights reserved.